舌の大切な役割
- コラム
お口の真ん中部分を大きく占めている舌。
「舌の役割は?」とたずねられたら、一番多い答えは「味覚を感じること」かも知れませんが、舌にはそれ以外にも、いくつもの大切な働きがあるのです。
●舌は働き者
舌の代表的な役割を具体的にみていきましょう。
【味覚】
舌の表面には味覚を感じるセンサー「味蕾(みらい)」があります。味蕾は味細胞の集まりで、甘い、苦い、酸っぱい、しょっぱいなどを感じることができます。これらの味が複雑に混ざり合って、人は”美味しさ”を感じることができるのですね。味蕾は頬の内側や唇にもありますが、大部分が舌にあることがわかっています。
【食べ物を飲みこむ】
舌は口の中にある食べ物を、食道に送り込む働きをしています。また、口の中の食べ物を奥歯や歯と歯の間に運んで咀嚼を助けたり、食べ物と唾液を混ぜ合わせたりするのも舌の役割。舌の機能が落ちると、食べ物が上手に食べられなくなるのはこのためです。
【発音を助ける】
私たちが発している言葉にも、舌の存在がかかせません。言葉は、声帯から発せられた振動した空気を、口の中の共鳴によって様々な音に変化させてつくられます。この時、舌は柔軟に動き、異なった音を発する助けをしています。
【歯並び】
舌は歯並びにも関わっています。歯を内側から支える舌が左右どちらかに偏っていたり、特定の歯を押すなどの癖(舌癖)があると、歯並びが乱れてしまいます。
●舌はQOL(生活の質)の維持にかかせません
このように舌は、味わう、食べる、話すといった、人が幸せを感じるために欠かせない器官なのです。何か違和感や気になる点があれば早めの受診がおすすめです。
舌は自分でもチェックしやすい器官です。生きる楽しみとも密接に結びついている舌。健康でありたいですね。